電車に乗った。ボックス席の車両だった。
進行方向に向いている席から埋まっていく。他に空いていなかったので、進行方向を背にして座った。
ここから見る世界はすべてが遠ざかっていく世界。人も車も建物も、どんどん小さくなって、最後には視界から消えていく。
向かいに座っている人は、全てが向かってくる世界の中にいる。小さな点が大きくなっていって、実物大になった時に、一瞬で消えていく世界。
あなたはどちらの空間移動が好きですか。
次々と視界から消えていく景色を見ていたら、次の駅で降りた時に、いつもより長い距離を移動した気持ちになった。たった数分だったけれど、ここに来るまでの間に、たくさんのものを置いてきた感覚があったから。
スマホをではなく、車窓から外を眺めるのも、たまにはよいものです。
お付き合いいただき、ありがとうございます。良い一日になりますように。