NEMIの世界

ようこそ。良い一日になりますように。

完璧な空の日

あまりに完璧な空の日には未来にフォーカスしていいのか今にフォーカスしてよいのか、わからなくなってしまいます。

 

私はここから出たいのだけれど、一刻も早く出たいのだけれど、その前に少しだけ今をを味わうのも悪くないと思えてくるのです。すべて置き去りにして新しいスタートを切りたいと思っているのだけれど、空が美しいと、見慣れたこの風景を切り取って、未来に行くときに一緒に持っていきたいと思えてくるのです。

 

今、太陽が眩しく、陽だまりにいると汗ばむほどだけれど、この暖かさはあと数時間で無くなってしまうのです。それは絶対なのです。時間は過ぎて行くとき、空間も連れて行ってしまいます。太陽が傾いてこの暖かいベンチがビルの陰になって周りにある花の色が違うものに見える時、空間も違うものになっていて、私だけが残されてしまうのです。同じ気持ちのまま。

 

美しいものに触れると、涙がこぼれそうになります。その感覚をもう一人の私が俯瞰しています。涙がこぼれ落ちたら、古い私が流れ去って違う世界に行けるような気がします。けれど、今日も涙はうちにとどまったままなのです。そして今までどおりの私の思いは、いつものように今と未来の間を行き来するのです。